美容室で店販・物販が売れない理由と”四方良し”

明日からインドに行ってきまーす!

毎年恒例の南インドのタミルナードゥ州へインディゴ農場の視察を行います。

今年は天然ヘナとインディゴ配合の新製品を発売するということもあり、

再確認や生産調整が必要となります。

電話一本で、こういった仕事は完了するのですが、

やはりインドの空気を感じながら、産地の方々と触れることは重要です。

彼らも生産者として、消費者の声が届くことはモチベーションに繋がります。

また、インディゴの消費量は毎年のように伸びています。

そうなってくると、インドの悪い癖が出てしまうことも事実。

彼らはお金になることが分かると、一気に生産量を増やします。

しかし、品質の低下は避けられません。

インド人だから、という訳ではなく人間の本能としてお金を追いかけてしまうので、これらを未然に防ぐ為にも実地での接触は必要不可欠なのです。

昨年のインディゴ視察の模様はこちら

 

さて、そんな出発前に美容室の経営者の方から相談があったトピックを紹介したいと思います。

なぜ美容室の店頭販売商品が売れないのでしょうか?

美容室での店頭販売では、様々な商品が取り扱われています。

これらを美容室業界では、”店販” と言います。

平均的に技術の売り上げの10%程度と言われています。

この店販が売れないということで相談がありました。

その理由をいくつかあげてみたいと思います。

少々値が張るので買いにくい

美容室のシャンプーは、だいたい1500円〜3000円程です。

しかし、ドラッグストアでは数百円で購入できます。

なぜ美容室のシャンプーは高いかというと、単純に生産量が少ないからです。

成分が良いから高い訳ではありません。

同等の製品を製造する場合、一万本製造するのと、百万本製造するのでは、製造単価が大きく変わりますます。

大手一般化粧品メーカーなどでは、生産量自体が桁外れに多いのです。

ネット通販が大きな障壁になっている

楽天やamazonでは美容室専売品が、美容室の仕入価格より安く買えます。

最近では、美容室もamazonで仕入れをすることもあるようです。

これは、美容室専売メーカーが流通をコントロール出来ていないことが原因です。

美容業界では、出入りする業者を”ディーラー”と呼びますが、彼らの中には商品を横流しすることがあります。

例えばディーラーが定価の50%で仕入れしれ、その商品を原価でネット通販業者に横流しします。

ディーラーは年間の取引量に応じて、メーカーからリベート(報奨金)が受けられ為、余剰在庫を横流ししても利益が出るという仕組みです。

商品自体に魅力が無い

美容師の方が、どれだけ熱心に商品を説明しようとも、製品自体に魅力が無ければ売れません。

正直、美容師目線で見ても、どのメーカーも大きな違いはありません。

ほとんどの経営者は、基本的に利益率の高い商品を売り、儲けを出そうと考えています。

専門知識があれば内容成分などはスペック的に、ドラッグストアで買えるものと大きく違いがないことも知っています。

消費者も既にその空気感を察知していますので、当然商品に魅力を感じないのは当然です。

また、店販を売ったところで美容師さんの所得には殆ど影響は出ません。

売る努力をしても、給料が増えないので売っても仕方ないのです。

そうなれば、現場で商品が売れないのは当然です。

どうすれば売れるのか?

当たり前のことですが、以下のような製品が売れるのです

・消費者が魅力を感じる商品

・消費者が適正と感じる価格の商品

・美容室に利益が出やすい商品

・美容師が潤う商品

・ネットで安売りされていない商品

こういった商品は、間違いなく売れます!

”四方よし”は売れる!

買い手よし・売り手よし・世間よし(近江商人の三方よし)

そして極め付けに ”地球によし”。

近江商人が活躍した時代には、地球はとても美しく

環境汚染や破壊はありませんでした。

産業革命の波により、地球は荒れてきました。

便利と引き換えに地球は傷んでいく一方。

こんなことは既に常識のはずです。

消費者にも、既にそういった概念は大きく広がりを見せています。

しかし、美容業界は一向にその概念が広がりません。

どうしてでしょうか?

そこには歪んだ産業の姿があります。

この姿勢を正すことが、”売れる”を引き寄せるのではないでしょうか?

今一度、人間としての足元を見直すこと。

今回相談に来られた美容室の経営者さんに、お伝えした内容をシェアさせて頂きました!