2020年はオリンピックイヤーとして、華々しい夏を迎えている予定でした。
世界中から人々が押し寄せ、インバウンドに湧き上がる夏。
それが、新型コロナウイルスの流行によって、全てが吹き飛ぶこととなりました。
産業によっては、未だ自粛要請の影響も大きく、業績の回復が遅れていることが伺えます。
一方で、直営Graciasヘナ専門店では自粛期間中の落ち込みはあったものの、既に平時を取り戻しています。
そこで、今回はパンデミックと美容室の運営につて振り返ってみたいと思います。
2020年1月29日発感染者確認
年明け、今年もそろそろ始動と考えていた1月末、奈良県で日本人で初めての感染者が出てしまいました。
この当時は、一切の情報が無く、SARSやジカ熱などのようなウイルスではないかと騒がれました。
美容室の運営上、防疫は義務となっていますので、即座に消毒とマスク着用を行いました。
これが1月29日の段階で、ホームセンターには消毒液やマスクは十分な在庫がありました。
この段階でひとつの危機感を感じました。
それは2009年の新型インフルエンザのパンデミック。
あの当時も、WHO内の利益相反や過剰な防疫、感染者への差別などがありました。
感染者数が報道される状態が続くと、多くの人が心理的に不安になることを予測しました。
ウイルスの毒性以上に、怖いことが起きるという直感でサロンの安心感を演出する為に防疫を開始しました。
2020年2月2日ムンバイ空港でのスクリーニング開始
毎年恒例のインド出張の為に、インドムンバイに到着、この時に中国国際航空を利用予定でしたが、
帰国のタイミングでフライトキャンセルを避ける為に、急遽シンガポール航空に変更。
後に、この選択が正しかったということになります。
空港では検温や書類提出を求められ、入国まで数時間空港内で過ごすことになりました。
この時に、世界中がパンデミックに晒されると予感しました。
2020年3月サロンの防疫体制をレベルアップ
インドから帰国した数週間後、インドはロックダウンを決定します。
このタイミングで全ての輸入がストップすることになりました。
ギリギリモロッコからの便が到着し、モロッコ産ヘナのみで運用が始まりました。
直営店では、通常価格が少し高いモロッコヘナの施術をインド産同様にし、
多くのお客様に体験して頂きました。
その結果、モロッコ産ヘナでのメニューが定着し、サロン運営的には棚ぼたで単価アップ。
2020年3月末日本国内のロックダウンが囁かれる
この段階で、4月頃には日本国内でもロックダウンが行われるという話が浮上します。
こうなるとサロン営業は壊滅的なダメージを受けるという直感。
同時に、ロックダウンされても営業は続ける意向を固める。
(既にウイルスの弱毒性は認知出来ていた為)
2020年4月7日緊急事態宣言発令
このタイミングでサロン運営体制を2班制に変更。
AグループとBグループで営業を行い、各4週間の休暇を取得します。
国の制度を利用し雇用調整助成金を活用し、人件費を確保する。
同時に、有事に備え出来る限りのキャッシュを準備する為に、緊急貸付を受けることになります。
このようなタイムラインを追ってきましたが、私達は休業要請の対象外の職種ということで、
サロンを休業する選択をしませんでした。
必ず患者数の増減で、休業要請自体が曖昧になったり、制度変更があると踏んでいたからです。
そして一度休業すると、次に再開するタイミングの方が選択に困ると考えていました。
実際に、2020年7月現在陽性者は過去最多となっていますが、現在は休業する美容室は殆どありません。
この状態に矛盾が生じることを想定していました。
また、休業要請の中でも、通勤する人なども多くいる為に、そういった方々に不便をかけたくないという気持ちでした。
結果として、自粛期間中もある程度のお客様が来店され、最悪な状態は回避できました。
サロンの運用改革に最適な期間
社会が大きく変動している期間は、お客様も変化に強くなってきています。
このタイミングは、サロン運用のスクラップ&ビルドのタイミングに最適です。
Graciasヘナ専門店は、座席数を減らし各席の設備やアメニティ・サービスを変更しました。
そして、7月1日より、各座席の質とサービス向上とともに価格変更を行いました。
私達は美容サービスプラス、空間価値を作り上げていきました。
結果として、この7月は平年通りの売上へと戻ることになりました。
見込み顧客とマーケットの変化
このマーケティングの理論は、あまり表では語られません。
人間を分類してマーケティングすることに不快感を持つ人も多いからです。
この内容は詳しくは記載出来ませんが、成否に関わらずメディアに対する信頼度が高い人ほど、来店しにくいのが現実です。
パンデミックに過度の恐怖心を持つ人ほど、来店しにくいということです。
こういったカテゴリーの人々は消費をしなくなります。
いくら投げかけても無駄になってしまいます。
そこで、こういった社会状況でも来店して頂ける方を大切にしていかなくてはいけません。
その為には、私達のスタンスも変化に応じて見直していく必要があります。
誰に選ばらるお店になるのかを、より明確にしなくてはいけません。
今ヘナを始める美容室が増えている理由とは?
現在、今までにないレベルで、ヘナを取り扱うサロンが増えてきました。
今まで家でヘナをしていた方が、サロンにヘナを持ち込むケースが増えてきたり、
お客様からの要望が増えてきたという理由でしょうか?
もう一つの理由は、美容師自身の健康意識が高まってきたことも理由の一つだと思います。
消費者の方々同様に、美容師自身も長く健康的に働きたいという願望が高まってきたのではと推測します。
今までデザインを優先的に追い、無頓着だった美容師の健康意識が、消費者の方々に近付いてきたのだと思います。
今、美容室にウエルネス産業としての一歩が開かれたことを理解した美容師の方々が、ヘナの導入を検討しているのでしょう。
インディーハーブスの役割が増えた
インディーハーブスはサロンワークの現場を第一に考えています。
その為の学びの場も提供していきたいと考えています。
これからヘナを導入するサロンでは基礎講座の受講をおすすめしています。
そして全国にいるインディーハーブスユーザーの美容師さん達と交流を通じて学びを深めていきます。
そこでは、アロマの情報やマッサージ・スパの情報・ボディートリートメントの情報。
マーケティングやwebのアドバイスなどを相互に行って頂いています。
それぞれが自由に研究会や勉強会も行っています。
コミュニティで学べることは非常に多く、是非共有して頂きたいと思います。
来年には、美容師の方々が自由に専門的研究活動が出来るラボを開設予定です。
2020年はパンデミックに始まりパンデミックに終わる一年となるでしょう。
そして社会のいたるところでパラダイムシフトが起こっています。
生きるということ・働くということ・人と過ごすということ
今まで考えなかったことを考えさせられる機会です
パラダイムシフトの起こる時代はワンチャンありの時代とも言えます。
多くの美容室が理想とする方向に進んで行けることを願っています。