約2年半ぶりのモロッコ滞在 ②アルガンオイル

私達のアルガンオイルの製造拠点は、エッサウィラという地域です。

この地域は海産物の水揚げ地として発展してきた湊町です。

フランス統治時代の面影やモロッコ独特の旧市街地の街並みが美しい場所で、リゾート地としても人気の高い場所です。

サハラ砂漠と打って変わり、気温も25〜30度程度の過ごしやすい気候。

人々は穏やかでフレンドリーな人が多く、治安に関しても心配することは少ない街です。

エッサウィラへの道のり

砂漠エリアの空港であるエラッシディアから空路でカサブランカへ向かいます。

その後、鉄道に乗り換えマラケシュという大きな都市へ移動。

更にバスを乗り継ぎ3時間のドライブ。

エッサウィラに到着と同時に、パートナーのブラヒムがお出迎え。

今日の天気は珍しく良いので、早速ビーチでゆっくりしようとお誘いです。

ビーチでは地元の人達が海水浴を楽しみ、BBQやタジン鍋を楽しんでいます。

エッサウィラはイワシが美味しいことで有名で、早速イワシのBBQをご馳走になりました。

そのBBQをご馳走してくれたのは、一度も会ったこも無い見ず知らずの人。

実はモロッコではよくあることで、見ず知らずの人同士が突然食事を共にするフレンドリーな習慣があります。

モロッコの人々のフレンドリーな優しさに触れ、明日はアルガンの森へ向かいます。

アルガンオイルを取り巻く世界事情

モロッコの特産品のひとつアルガンオイルは世界的な需要があります。

日本ではまだまだ馴染みの薄いアルガンオイルですが、アジアではオーガニック市場の大きい韓国・中国などで非常に人気の高い植物油として知られています。

このように経済的に豊かな国に需要が出ると、原料などの確保が大きな課題となります。

現在モロッコではアルガンの木が保護され、生産量は増加しているのですが、気候変動により思うように生産量が伸びていない現状があります。

そこへ、昨今の食用油の価格高騰なども影響し、アルガンオイルの原料を確保することが難しくなっています。

実際に産地を訪問し、その実態を調査してみました。

水不足が大きな影響を及ぼしている

アフリカ大陸はここ数年深刻な水不足が続いています。

それによって、様々な農作物の収量が低下しています。

更にアルガンオイルの需要の高まりによって原料の奪い合いが発生しています。

アルガンオイルの生産事業は、地元の女性組合などの大きな収入源でした。

女性組合は農家からアルガンの種を買い付けてオイルを製造していたのですが、アルガンの種を買い占める外国企業が出現しました。

それによって、女性組合は原料の仕入れ自体が難しくなってしまいました。

水不足と経済格差、パンデミックなどの影響をうけ、地元の女性組合は危機に直面しています。

アルガンオイルの輸出に制限が

アルガンオイルは、モロッコの地方都市において重要な収入源となっていました。

そこに従事する人々の雇用と収入を支えていたのいですが、大きな資本によって弱体化していました。

例えば、大きな資本を持つ企業がアルガンの種を農家から直接買付を行い、採油から充填作業など製品化までを一元的に行うと、地元の女性組合の仕事を奪ってしまうことになります。

そこでモロッコ政府は、アルガンオイルの輸出に新たな法律を設けることになりました。

5000ml以上の容器に充填したアルガンオイルを輸出する場合には、特別な許可が必要になりました。

タンクへの充填量を制限することで、充填作業に必要な雇用を維持するための法律整備です。

大資本による買占めが世界を脅かす

アルガンオイルのように、大きな資本が動き出すことにより、価格が高騰したり雇用が失われたりする事態は世界中で起こっている現実です。

紛争による食糧危機などが叫ばれる昨今ですが、果たしてそれだけが混乱の原因なのでしょうか?

気候変動や経済格差の拡大は資本家にとって有利であり、一般市民は搾取され続けることになります。

過剰な資本主義による弊害が見え隠れするアルガンオイルの市場は、現代の縮図とも言えるでしょう。

広大なアルガンの森で見える真実

アルガンの木は一時期数を減らしていたのですが、保護活動などを通じて現在は危機を脱しています。

希少なオイルという触れ込みですが、実際にはそういった事実はありません。

また採油率が低いという触れ込みも、3kgの核から1000mlの採油率は低い数値とは言えません。

何かと商業主義の中で情報が操作されているのですが、実際に現地を訪問すると真実が見えてきます。

6〜7月はアルガンの収穫期で、木の根元には沢山のアルガンの実が落ちています。

アルガンの実は樹木から直接採取することは禁じられています。

それは、翌年に果実となる花芽を落としてしまわないようにと配慮しているからです。

可愛らしい小さな花芽は、とてもデリケートなので地元の人々も慎重に扱っていたのが印象的です。

アルガンの実は落下し、乾燥した状態を拾い集めていきます。

次の種の部分を取り出し、殻を破り核を取り出します。

私達の製品の場合は、核をあるていど加熱して殺菌を行います。

その後採油され、更にフィルターによって不純物を除去します。

このフィルターの際に、大切な栄養分まで除去しないよう特殊なフィルターを使用しています。

現在モロッコではアルガンオイルの製造技術が研究され、日本の技術なども採用されています。

毎月のように研究報告が行われ、日々技術は進歩しています。

パンデミック時代を支えたアルガン

モロッコは観光収入に依存し、パンデミックの影響が大きな国の一つです。

アルガンオイルはパンデミックの最中にも需要が伸びていたこともあり、地元の人々の雇用を支えてきました。

また私達のパートナーは、地元を大切にする会社で、水源や食糧の提供を行い、多くの住民をサポートしてきました。

彼らの中には、単に商売で儲けるだけではなく、それらを地域に還元するという考えがあります。

私達の企業理念と合致する部分が多く、パートナーとして誇らしく思っています。

私達も彼らに続き、パンデミック下において、地元の教育機関などをサポートする取り組みを行ってきました。

モロッコと日本において、私達の事業が社会の為に力を発揮出来たことを嬉しく思っています。