
全国で開催させていただいた「サロンオペレーション・ワークショップ」。
おかげさまで、追加開催を除いた全日程が無事に終了いたしました。
各地でお越しくださった美容師の皆さま、ありがとうございました。
久しぶりにお会いできた方も多く、近況をうかがいながら、現場での課題や手応えを共有できたことが、私たちにとっても大変貴重な機会となりました。
今回のWSは、直営店であるGraciasヘナ専門店のオペレーションマニュアルをベースに、展示形式でのご紹介となりました。
あらためて実感したのは、美容師同士は「技術」を通じてもっとも深く、正直に語り合えるということです。
また、今年のテーマとして取り上げた「メンタルヘルス」への取り組みにも多くの関心をいただきました。
アロマを活用したアプローチや、施術中のリラックス法など、サロンワークの中で自然に取り入れられる工夫に、共感の声を多くいただいております。
このテーマについては、今後さらに深めたかたちで、勉強会や実践会の開催を検討していきたいと考えています。
全国のヘナサロンの「いま」
今回のワークショップを通じて、各地の美容師の皆さまとお話しする中で、いくつか印象的な傾向が見えてきました。
ひとつは、「地方サロンの集客が堅調」であること。
特に、ホットペッパーなどをうまく活用されているサロンでは、月間10名以上の新規集客につながっている事例もありました。
「ヘナ+地域名」の検索結果には、まだまだ余白がある印象です。
また、物販が順調なサロンも多く見受けられました。
しっかりとしたコンセプトを持ち、その想いに共感したお客様が集まっているサロンでは、自然な流れで物販が売れていく傾向があります。
今後ますます「物販の強いサロン」が生き残っていくのではと感じています。
見えてきた課題 〜 DX・AIの必要性 〜
一方で、サロン経営の課題も明確になってきました。
それは、「デジタル化の遅れ」です。
私たち美容師の仕事は、基本的にアナログな側面が強く、どうしてもデジタルが後回しになりがちです。
しかしながら、サロンワークの効率化や省人化を考えるうえで、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は避けて通れません。
特に、AIの進化が加速する今、「人間にしかできないこと」に集中するためにも、日々の業務の中で使えるツールを積極的に取り入れていく必要があります。
スマホの普及が遅れた世代が、今となっては「不便を受け入れざるを得ない」状況になっているように、AIに対する対応の差が、今後の働き方に大きな影響を与えていくことが予想されます。
現場で使えるデジタルツールの具体例
私たちは現在、サロンのデジタル化を「外部向け」「内部向け」に分けて取り組んでいます。
外部向け:
ホームページに予約システムを導入
SNSでの情報発信
ネットショップの整備
内部向け:
LINE WORKSを活用したスケジュール管理や情報共有
在庫や顧客対応のタスク管理の効率化
これらを取り入れることで、限られた人員の中でも「数人分の仕事」をこなすことが可能になります。
結果として、人件費を抑えながらも顧客満足度を高める経営が実現できます。
さらに最近では、AIを活用したリサーチや資料作成も大きな武器になってきています。
これまで1日がかりだった資料づくりも、今や数時間で完了できるようになりました。
最後に
サロン経営における「アナログなぬくもり」は、とても大切な価値です。
その一方で、デジタルの力を味方にすることで、もっとラクに、もっと長く、もっと自由にこの仕事を続けられるようになるはずです。
デジタルが苦手な方ほど、早めの一歩を。
AIやシステムは、うまく使えば心強い“味方”になってくれます。
引き続き、現場で役立つ情報を発信してまいります。