自然派美容師が知っておくべきシャンプーの真実:合成界面活性剤と環境・頭皮への影響

美容師は、日常的にシャンプー剤を利用しヘアデザインを制作します。

どんなシャンプーでも良いわけではありません。

目的に見合ったシャンプー剤を選択し、お客様のご要望にお応えするのが仕事です。

この記事では、私たちはどのような目線でシャンプー剤を選んでいるのか、また人体や環境への影響を考慮しどういった選択をしているのかを美容師目線でご紹介します。

自然派シャンプーと合成シャンプー

基本的にすべてのシャンプー剤は合成界面活性剤を使用しています。

いわゆる植物系界面活性剤のシャンプーと言われるものにも、合成界面活性剤はほぼ100%含まれています。

というのも、合成界面活性剤とは、植物や石油を化学合成した活性剤の総称を意味しています。

したがって、合成界面活性剤という言葉は、シャンプーの性質を意味するものではありません。

植物由来の合成界面活性剤、石油由来の合成界面活性剤という分類が適切かと思います。

また、環境や人体への影響はそれぞれの配合量や添加物によって変わります。

植物由来の活性剤は安全なのか?

シャンプーは、目的の洗浄力に応じて活性剤選びを行います。

例えば、植物性活性剤で洗浄力の高いシャンプーを作る場合、活性剤の配合量を多くすることがあります。

植物性活性剤を多く配合することで刺激性が高まり、本来の目的が果たせないこともあります。

また、使用量が増えることで、結果として環境負荷が高まることも懸念されます。

さらにアミノ酸系活性剤は、アミノ酸を残留させることで保湿しますが、当然頭皮にも残留します。

その残留物が腐敗し、頭皮の臭いやトラブルを招くケースは意外と多いのが実態です。

このように最適とされている植物系界面活性剤にもデメリットは存在します。

どんなシャンプーも使用頻度が重要

私たちは、シャンプーをお客様に提案する時に洗髪の頻度をお伺いします。

洗髪頻度の少ない方には、アミノ酸系シャンプーは提案しません。

それはアミノ酸系の特徴で残留性が高いことが理由です。

アミノ酸系は毎日洗髪される方にのみ提案しています。

洗髪頻度の低い方には高級脂肪酸系をおすすめしています。

比較的洗浄力が高い割に、刺激性が非常に低いことが特徴です。

残留性が低いので、残留物による刺激が起こりません。

このようにそれぞれの特徴を理解し、お客様のライフスタイルにフィットした提案が大切だと思います。

シャンプー剤の環境への影響

合成界面活性剤は、どのようなものも自然界に流せば影響は避けられません。

どんなに安全と言われる成分でも、何千万人が使用すれば大きな環境汚染になります。

結果として、少なく使用する以外に解決策はありません。

しかし、日本の下水道システムは非常に優秀ですので、ほとんどの成分は下水処理されます。

日本の下水道普及率は80%程度ですので、ほとんどが処理されていることになります。

しかし、下水処理にはリソースの限界も当然あります。

無制限に下水処理ができるわけでもなく、コストも発生します。

もう一つの問題は、使用済み容器による環境負荷です。

こちらの方が、解決が難しい問題です。

世界中でマイクロプラスチックの影響が拡大しており、人体への影響も確認され始めています。

まとめ

•シャンプーには合成界面活性剤が使われており、植物性や鉱物由来の活性剤の違いがあり、配合量や添加物によって環境や人体への影響が変わる。

•植物由来の活性剤は必ずしも安全ではなく、配合量が増えることで刺激性や環境負荷が高まる場合もあります。アミノ酸系シャンプーは残留性が高く、頭皮トラブルを引き起こすこともありますが、洗髪頻度に応じて使用を提案することが大切です。

•どのシャンプーも環境に影響を与えるため、使用量を減らすことが解決策になります。また、シャンプー容器のマイクロプラスチック問題も大きな課題となっています。

只今、当社では美容師の目線で必要に見合ったシャンプー剤のラインナップを構築しています。


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