― サロンワークに寄り添う、ローズの香りをかたちにして ―
かつて多くの方にご愛用いただいていたロサミスティカ製品は、生産体制の都合により、惜しまれつつ役目を終えました。
その後継となるラインとして企画を進めてきたのが、新しいローズブランド 「Bloome(ブルーミー)」 です。
長い準備期間を経て、ようやく皆さまのサロンへお届けできる段階になりました。
Bloomeというブランドについて
Bloomeは、インド産ローズを核にしたシンプルなラインナップです。
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ローズオットー配合の蜜蝋バーム
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ローズウォーター
サロンの物販・施術のどちらにもなじむように、過度な装飾を避けたミニマルな構成にしています。
インドとローズの関係
インドは、世界でも有数のローズ産地として知られています。
その背景には、ローズが宗教儀式やお祈りの場面だけでなく、日常のスキンケアやヘアケアにまで広く用いられている文化があります。
ローズウォーターは、
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祈りの場で空間を清める
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肌を整える日常のケアに使う
といった役割を担い、生活に深く根付いてきました。
Bloomeの開発にあたっては、
インド北部・カンナウジを訪ねた記録も残しています。
インドの香り文化については、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
ローズオットーをブレンドする科学的な理由
Bloomeのバームには、水蒸気蒸留で得られたローズオットーを使用しています。
ここで用いているローズオットーは、単一ロットではなく、複数ロットをブレンドしたものです。
これはコスト調整のためではなく、
香りの品質と安定性を高めるための、技術的なプロセスです。
ローズオットーは天然物であるため、同じ畑・同じ品種であっても、
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気候
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収穫時期
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土壌条件
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蒸留条件
といった要因によって、主要成分の比率に揺らぎが生まれます。
代表的な成分として、フェネチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロールなどが挙げられます。
これらの含有比は、ガスクロマトグラフィー(GC-MS)などの分析でもロット差が確認されており、香りの印象にも直結します。
そのため香料設計では、
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あらかじめ目指す「香調プロファイル」を定める
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ロットごとの成分バランスと香りを確認する
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複数ロットを補完的にブレンドし、ターゲットの香調に近づける
という手順が一般的です。
Bloomeのローズオットーも同様に、カンナウジの調香師と協働しながら、立ち上がり・ミドル・余韻のバランスを丁寧に整えています。
結果として、
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サロン空間になじむ穏やかな香り
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仕上げのひと手間として自然に使える香り
を、ロットごとに大きくブレさず再現できるように設計しています。
ローズウォーターという蒸留水
ローズウォーターは、ローズオットーを抽出する際に得られる芳香蒸留水です。
精油に比べてマイルドですが、使用する原料と蒸留条件によっては、蒸留水自体にも豊かな香りが残ります。
Bloomeのローズウォーターは、香りの強さよりも「使い心地」と「施術中の心地よさ」を重視し、サロンワークに取り入れやすいバランスに整えています。
サロンワークでの具体的な使い方
ローズウォーター
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ブロー前に、頭皮と髪全体へミスト
→ 頭皮のうるおいケアと、ブローローションとして
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ブロー中、ドライヤーの風に乗って穏やかに香りが広がる
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メイク直しや、お風呂上がりの水分補給ミストとして
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コットンに含ませ、目元やフェイスラインのクールダウン用として
ヘアだけでなく**「顔まわりのケア」**にも使えるため、
サロン内での提案の幅も広がります。
蜜蝋バーム(ローズオットー配合)
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仕上げのスタイリングで、毛先のまとまり・束感づくりに
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前髪や顔まわりのニュアンス調整に
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乾燥しやすい指先やリップ、部分的な保湿ケアに
アルガンオイルを配合しているため、少量でもよく伸びるテクスチャーです。
「見た目を整える」と同時に「乾燥ケア」もできるため、サロン物販としても提案しやすいアイテムです。
旅で得た感覚を、製品というかたちに
香りは、サロン空間の記憶をつくる要素です。
ヘナやハーブと同じように、香りにも“背景”があり、誰が・どこで・どのようにつくっているかが重要だと考えています。
インド・カンナウジで出会った香りの文化と職人の技術。
そして、日々のサロンワークで感じてきた「香りのあり方」。
その両方を結びつけた結果として生まれたのが、インド産ローズを軸にしたBloomeシリーズです。
サロンワークの流れに無理なく寄り添うアイテムとして、Bloomeのローズケアをお役立ていただければと思います。