インドのヘナ産地を訪ねる旅2023 番外編

株式会社インディーハーブスのブランドオーナーとして、私はこの度、インドのヘナ産地を訪れました。

この記事では、私の目線からの体験と学びをお伝えします。

アシスタントのアヤが担当するブログとは別に、ブランドオーナーとしての視点をお届けいたします。

インド視察の意義

株式会社インディーハーブスは、インドの現地視察に同行することが入社の条件となります。

どんな場所で、誰が、どのようにヘナを栽培し製品となっていくのか?

その過程にある人々の努力に感謝や思いを持つことは、とても大切なことです。

灼熱の太陽の下で働く人。重い荷物を運んでくれる人。丁寧にパッケージしてくれる人。

多くの人の手を通じて、私達の製品が出来上がっていることを実体験として学ぶことが大切だと考えています。

 

インドのヘナ産地を訪れることで、様々な真実に触れることになります。

どんな世界にも日向もあれば日陰もあります。

私達は日向でヘナを活用し美容室営業で生計を立てています。

日陰の部分では誰の目に触れる訳でもなく汗を流してくれる人がいます。

日向にいる自分達は、常に日陰の存在があり成り立っていることを忘れてはいけません。

私達はこういった考え方のベースを身に付ける意味で、インドでの研修を行なっているのです。

 

テクニックよりも大切なもの

私達の会社ではテクニックの前に、こういった人間としての土台を学んでもらいます。

土台の上にあるテクニックは奥深いものになります。

しかし、土台のないテクニックは単なるパフォーマンスになります。

実際にパフォーマンスで短期的な成果は得られるものの、そこに価値を築くことは出来ません。

モノ作りを行うには、まず人間作りがベースになるのはこういった意味があるからです。

そして、私自身が旅することから多くの学びを得た経験を、後進にも繋げていきたいと考えています。

 

インドのお寺で学んだこと

私達はインドのバラナシという聖地でゲストハウスの運営をしています。

そのゲストハウスから1時間弱の場所にサールナートという場所があります。

お釈迦様が悟りを開いた後に、初めて弟子たちに説法をした場所として有名です。

この場所には沢山の仏教寺院があり、その中に日本人が建てたお寺もあります。

その住職の方とお話しする機会を頂きました。

 

そのお寺は女性住職一人で全てを切り盛りされています。

彼女の人生の歩みを聞かせて頂いた中で印象的な言葉がありました。

「覚悟を持って生きることができるか?」

インドでお寺を一人で運営してきた人の言葉には重みがありました。

ヘナのブランド立ち上げ、全国を歩き回っていた頃の自分には覚悟がありました。

しかし、少し軌道に乗って上手くいくと、その覚悟が薄れてしまう時があります。

自分が過去に抱いた覚悟が如何に浅いものであったかを気付かされる出来事でした。

同席していた新入社員も、本物の言葉に触れることが出来たことは貴重な経験となったことでしょう。

 

幸福感とは自分が決めること

インドの旅をしていると、必ず物乞いの存在が関わってきます。

彼らを見ていると「可哀想に」という感情が生まれます。

これは人間の心理として、自分より不遇な人を見るとそう感じてしまうのです。

しかし、その心理は本当に正しいのでしょうか?

子供達が川で泳ぎ仲間と遊んでいる姿は既に日本から消えてしまいました。

一本のコーラを仲間でシェアし分かち合うシーンを見て、私は心の豊かさを感じました。

日本ではどうでしょうか?

物は溢れているがプレッシャーに押しつぶされ自ら命を断つ人もいます。

教育を与えられているのに学校に行けない子供も多くいます。

もちろん世界中に様々なシーンがあるのですが、果たして貧しいことが可哀想なことなのか?

 

「置かれた場所で咲きなさい」というエッセイを思い出します。

どんな境遇でも、自分が花を咲かせることが出来るかは自分の心の置き所ひとつ

恵まれた日本の環境では、なかなか実感することが出来ません。

しかしインドでは、逞しく生きている物乞いの子供達から私達は学びを得ました。

幸福の定義とは?

お金ジャブジャブが幸福でも良いでしょう。

名誉を得ることも幸福でしょう。

しかし、仲間と一本のコーラを分け合うというような幸福感も悪くはありません。

物乞いの子供にお金を差し出すこと自体を功徳と考え幸福な人もいます。

このように幸福の定義は個々で大きく違うのが当然です。

現代日本社会は、どこか同一にアレンジされた幸福感を多くの人が追い求めているように感じます。

自分の幸福感はどこにあるのか?

実は自分の足元に幸福感を得るヒントがあるのでは?

外的要因で花が開かないと考えてしまいがちですが。

それも心の置き所?

答えは永遠に出ないテーマであり

自分の未成熟な部分を実感できる国

インドの旅で一番成長させてもらっているのは社長自身なのかもしれません。